TECHSシリーズ(TECHS-S/TECHS-BK)活用事例

TECHS

多品種少量生産企業のバーコード活用による効率的生産管理の実現      

 受注から納品までの「生産工程の透明化」と「納期遅れのゼロ化」を目標とし TECHS-BKを活用し、生産管理のIT化に取り組んだ事例

事例のポイント
ダイヤ精機株式会社 代表取締役 有石貴子 様


 ダイヤ精機株式会社は、昭和39年に創業、当初はゲージという測定器の職人を軸とした 多品種少量生産の工場からはじまり、現在はユーザの要求に答える形で、 ゲージから冶工具・鍛造型部品・設計製作へと成長してきた企業である。

■3年間の社内改革から見えてきた自社の本当の強み

 2004年先代より2代目を引き継いだのち、当初はまず過去20年間の財務分析および SWOT分析・外部、内部環境を見ながら約1年かけて経営理念・経営方針・経営目標の策定を行った。 その後3年間の社内改革に取り組む。
 ▼1年目の取り組み
 意識改革・組織改革の実施  基礎教育から製造現場における問題解決の手法などの社内教育を行った。組織改革としてはQCサークルや年代別のクロスファンクションチームなどのオフライン組織を結成し、いろいろな問題・課題解決に取り組む土壌を作り上げた。
 ▼2年目以降の取り組み
 チャレンジという言葉を掲げ、新しいものをどんどん取り入れていこうということで 新しい設備を4台購入し、その中で生産管理システムの導入の検討を始めた。

 なぜ、生産管理システムの導入を考え始めたかについてはこんなきっかけがあった。 当初、自分の会社の強みは「技術力」、「技術力が一番」であると思っていた。 しかし、ある方から、「あなたが分析して導き出してきた答えは正しいかもしれないけれども 、それはあなたから見た目であってお客様あってこその技術であり、 お客さんがどう思っているのかを確認したほうがよいのでは」というアドバイスを 受け、実際にお客様の担当者に「何故うちに仕事を出してくれるんですか」と聞いてみた。 すると唐突な質問に担当者の方も笑いながら「ダイヤさんは、特急対応してくれますよね。 品質とコストは当たり前の時代。近隣諸国の競争のある中で 日本国内で何を強みにして持っていくのかは「特急対応」なのでは」と教えてもらった。 その言葉があり、生産管理システムの全面変更に取り組むこととなる。

■生産管理システム導入にあたっての目的の明確化

 元々社内には当社オリジナルのシステムがあり、売掛金・買掛金の管理はできていた。 ただ、それ以上の進捗管理等はできておらず、まずはACCESSを用いて進捗管理を試みてみたが、 2つのシステムへの2重入力の手間は非常に大変で運用が伴わなかった。 そこで、既存システムに進捗機能を追加しようとしたが、バージョンアップの問題や オリジナルの取扱説明書を解読して更に機能を加えることは非現実的であり、新システムの再検討を始めた。
 ダイヤ精機はいろんな機械があって、いろんな工程を通って1つの製品になっていく 多品種少量生産という形をとっている。 全部ひとつひとつ形が異なり、いろんな工程をばらばらに流れているものを最後に組み立てて納品する。 1つの部品が遅れるだけで納品ができないことを考えると、 まず「進捗管理」を行う(今物がどこにあるかをつかんで確実にお客様の納期に 答えよう)ということをシステム導入の第一の狙いとした。
 当社としては「クオリティ」に関しては、新設備の投入とオフライン組織の立ち上げにて対応し、 「コストとデリバリー」については新システムを再検討していこうということでプロジェクトを進めていった。

■課題の整理とバーコード活用のできるシステム選定

 新システム導入にあたり、課題を再度整理するとともに、大手企業で2次元コードで 作業効率を図っているという記事を参考に、 バーコードの活用がうまく使えないかと考え、下記選定条件をあげ、生産管理ソフトを探し始めた。
 ・バーコードに対応できていること
 ・進捗管理・原価管理ができること
 ・サポートがしっかりしていること
 ・簡単操作であること(ITに詳しくなくても誰でも使えること)
 そして、各種生産管理システムの選定を重ねる中で一番イメージに近く、 工程の進捗管理と個々の原価管理が可能であり 実績のあるTECHS-BKを選ぶこととなった。

■システム稼働までの経緯

 システム稼働までには、最適なパッケージを捜し歩くと同時に、 社員に対するシステム活用に対する社内展開イメージに ついて何度もプレゼンテーションを行い、具体的な導入作業開始前までに約4か月の時間をかけた。 プレゼン時には都度アンケート・意見を聞き取り現場の要望を取り入れた。 マスタ登録後、現行システムとの並行稼働期間を経て新システムに移行する訳だが、 テスト稼働を開始する際に半年ぐらいかかるのでは、という予想に反して、 9月から始めて12月(3か月)で旧システムのシャットダウンに成功した。
 成功の要因は、社員が今回のシステム導入の意味を理解し、使いこなそうと協力してくれたことと、 テクノアさんの適切なフォローとTECHS-BKがITに慣れない社員にとっても操作が非常にわかりやすく簡単であったことである。

■図面にバーコード添付することで、進捗状況把握と作業効率化を実現

 TECHS-BK導入後は、図面に直接バーコード(製品番号、工程情報等)を添付することで、 現場は工程の前後で開始終了のバーコード読み取りをするだけで、 1品、1品の進捗状況ができるようになり、これまでの日報作成作業も 省くことができるようになった。

■システム(TECHS-BK)導入の効果

 生産情報の一元化ができたことで、以下のような効果をあげることができた
・お客様へのスムーズな納期回答ができるようになった
・急な設計変更にも物がどの工程にあるかわかるため即座に止め対応ができる様になった
・1品1品の原価把握が可能になったことで、ピンポイントでのコストダウンが可能となった
 ピンポイントでの分析例として、実績が蓄積されているため、ある製品の切り口で いつもどの工程が滞留しているか具体的に把握できるようになり、 漠然とコストダウンを呼びかけるのではなく、ピンポイントの部分に皆が注力 して改善できるようになった。そして1つの製品でそれがうまくいくと更に 水平展開ができるという好循環が生まれた。

■現場からのアイデアで「特急品」の生産計画が可能に

 システムで実績がたまっていくにつれ、現場からもっと使いこなすためのアイデアが生まれてきた。 特急品は作業と滞らせる一番の原因ともなるため、 特急品を抽出する機能をシステムに付加することにより、特急品が依頼される傾向が把握でき 「特急品」の生産計画・外段取り化が可能になった。
 当初、進捗管理ができれば十分と考えていたが、 システムの活用を現場の職人さんが理解してくれることにより、社員自らの力により 更に自社の強みを生かせる活用方法を見つけることができた。
 先日の新潟地震の際にも、特急のゲージ注文があり、対応するためには、 現状の仕掛品にどれだけの納期影響があり、特急対応だけでなく、 影響する仕掛品の優先順位・フォロー対応まできちんとお客様に提示できたことで、 更に信頼を受け、正規の発注も追加いただけるようになった。

<インタビューを終えて>
 まず、有石社長の大企業でもなかなか実行することの難しい、改革をする手順をきちんと踏まえていること、 そして実際に現場の社員の理解を得ながら推進する実行力に驚きました。 少量多品種生産に特化したTECHS-BKの機能をフル活用されているたけでなく、自社の強みを更に 強化するという領域にまで進化されているすばらしい活用事例だと思います。
 お忙しい中、インタビューに応じてくださいました有石社長ありがとうございました。
      

  ダイヤ精機様は
  2008年IT経営実践認定企業に
  選ばれました